うりぼうのダイアリー

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「ARMのIoT事業をソフトバンクGに移管」のニュースを見て気になったこと

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こんにちは、うりぼうです。


先週のニュースで気になったやつ。

www.arm.com

ソフトバンクグループの子会社ARMが自社のIoT事業(Pelion、トレジャーデータの2事業)を親会社のソフトバンクグループに移管する予定というもの。


まだ本決まりではなくARM側からの提案段階のため、詳細な内容はリリースされていません。
そのため、事業譲渡なのか会社分割(ARMから見て)なのか移管のスキームは決まっていないよう。



提案段階でのARM側のみのプレスリリースということもあり、内々では暫定合意くらいの意味合いにとれると伺えます。
もし話し合いが破断に終わってしまったら市場の期待値を下げることもあり、ソフトバンク側がプレスリリースを許すことがないと思われるので。


事業譲渡か会社分割なのかは、ARMの個別の資産負債を移転するのか、IoT事業(Pelion、トレジャーデータの2事業)に帰属する資産負債を丸ごと移転するかの違いがあります。



違いがよくわからん、と思われた方、事業譲渡は帳簿に載っているもの単体の資産、負債(特定)に対して会社分割は丸ごと(包括)なので前者が帳簿にのっているものに限定され、後者は見えない帳簿外のものもまるっと含まれるため責任範囲が全然違います。


事業譲渡が通常の資産負債の取引に近いのに対して、会社分割では資産負債に加えて、株式まで移転するという違いがあります。
(ARMグループにも親会社のARMホールディングスと子会社によりサブグループを形成しており、ARM子会社に対する株式をARMホールディングが保有しています。
会社分割となった際には、ARMホールディングスが子会社に対して有している株式もソフトバンクグループへ譲渡することになります。)


会社分割のほうが断然リスク(損害を被るダウンサイドリスク)が高いと言えます。
ただし、開示例を見ていると、分割会社から引き継いだ資産負債について承継会社に損害が発生した場合に、分割会社ですべて連帯して債務を追う(重畳的(ちょうじょうてき)債務引受といいます)ことが記載されているケースが多いようです。
そのような場合には、会社法で要求されている債権者保護手続きは不要となるようです。



話は変わりますが、以下のテッククランチの記事では分社化って言っているし、記事内では事業分離って言っているし、記者はここらへん意識せずに(何も知らずに)書いているっぽい。
こういうのが何も知らない方にとっては理解を妨げる要因となるため、反面教師として、うりぼうが書いているエントリでも紛らわしい表現はなるべく使わないようにします。

jp.techcrunch.com

 



連結グループとして一つのソフトバンクグループとして見た際には、同一グループ内での取引として実態は何も変わっていないように見えるけれども、実際のところはソフトバンクとARMという別会社の取引なのでお互いにとってどちらの手法で再編するかは、各法人単位、グループ全体でのインパクトを総合的に勘案して決まるんでしょうね。


会社分割、事業譲渡のそれぞれの開示例を見てみると、包括承継の会社分割の方が事業譲渡に比べてインパクトが大きいため、開示内容は詳細になっています。
自分がもし開示作ることになったとして、実務面でもこんな感じで記載することになるんだとイメージ感だけ持っておくのでも、知らないのとでは全然違うと思います。

会社分割の開示例(オリンパスの有報より抜粋)

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オリンパスのOMSCへの研究開発、製造・修理企画などの一部機能の吸収分割


事情譲渡の開示例(タカラバイオの四半報より抜粋)

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タカラバイオの雪国まいたけへのきのこの事業の譲渡

 

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以上です。

結局どんな結論になるかソフトバンクからリリースされ次第、確認してみようと思います。

今年は、こういうニュースを利用してエントリを書くことで、疑似組織再編を体験し、いざ自分が実務で対応することになったときに備えてのイメージ学習に努めたいと感じた次第です。

それではまた、うりぼうでした。

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