以前のエントリでM&Aの定義について、以下のように記述しました。
会社は「法人」とも言われるように、法の下で生息する生き物です。
生き物である会社を売買する一連の取引をまとめてM&Aといいます。
M&Aは、Merger&Aquisitionの略称で、それぞれ、Merger(吸収合併・新設合併)とAquisition(株式取得)です。
EA試験のPart2での復習となりますが、米国におけるM&Aの代表的な区分は以下の4つとなります。
一般に言われるM&Aのうち、狭義のM&Aに区分できます。
Type A:合併(吸収合併・新設合併)
Type B:株式交換(売り手への対価が買い手の株式)
Type C:株式取得(売り手への対価が買い手の現金等の資産)
Type D:分割(吸収分割・新設分割)
一般に「Aquisition(買収)」と言った場合は、Type BとType Cが該当するのではないかと思います。
買収先の株式や事業を得るために、対価として交付されるのが買い手の株式 or 現金等の資産、または株式と現金等の資産の折半だったりします。
Merger(合併)という場合は、Type AとType Dが該当するのではないかと思います。
Type Dの会社分割は、合併の反対(厳密には異なる)の概念のためこれもMergerに含まれると考えることができます。
昨日のエントリで税務・会計におけるイベントは2面性で考えると理解しやすいみたいな話をしました。上のType Cの分類では買い手側の目線で株式取得と記載したんですが、売り手側の目線に立つと株式譲渡ということができます。
Type AとDをわざわざ分けているのは、合併と分割のうち、吸収合併と吸収分割は反対の概念ですが、会社を分割して新しく会社を設立するという新設分割の反対概念は新しく作った会社に合併させるという新設合併に該当しますが、分割(合併)の被対象会社が片方にしかいないので裏表の概念にならないためだと推測されます。
米国でのM&Aはこれ以外にも規定されています。
Type E : 資本構成の変更(昨日のエントリでいう現物出資が該当すると思われます)
Type F : 会社形態(S corpからLLCなど)、州、会社名称等の変更
Type G : Bankruptcyによる会社譲渡
これらを含めて広義のM&Aと定義することが出来ます(本当はもっと広いですがtax-freeとなるものだけ列挙しました)。M&Aは法律上は組織再編(reorganization)というネーミングで規定されていますが、広義のM&Aと言った場合は組織再編が近いのではないかと思います。
なので、実務でM&Aといった場合は、狭義のM&A(Type A-Dの4タイプ)が該当するものとイメージすればよいです。
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以上です。
それではまた、うりぼうでした。